ゆずのお陰(少し長いです)

ゆず3歳の頃、躾も出来、落ち着いて来た頃、盲導犬についても真剣に考えた時期がありました。
何も出来ないけれど、「盲導犬が着る」飛散防止服なら、作ることが出来ると思い、その頃、ニフティフォーラムでお知り合いになった「やけやけさん」のHPを見て、頑張ろうと、希望に燃えました。

ワンコの服って、私には、なかなか理解できませんでしたが、お教え頂き、そのボランティアに精を出しました。


その内、もっと何かお役に立ちたいと考え、パピーウォーカーを考えたのです。



亀岡の「関西盲導犬協会」に申請し、色々調査などを受けて、OKが出て、
期待に胸を膨らませて居た時です!!



突然「捨て子のパピヨン」を救って下さいとのお話があり、とっても迷いました。
パピーウォーカーの方々は、沢山いらっしゃいますが、捨て子を飼おうと言う人は少なく、
しかも、片目のワンコとなると、貰われて行く確立は、少なかったのです。
藍は、大阪の繁華街(千日前)に、片目の眼球を失くして、電柱に紐で繋がれて捨てられていました。そばには「フィラリアのお薬が、薬袋に入れられて」置かれていたそうです。

訓練にも合格していたゆずなら、小さな仔犬と一緒の生活も大丈夫だろう思い、引き受けました。


恐怖心の塊の仔犬は、どうにもこうにも手が付けられない状態でした。(未だにそのトラウマは残っています)
家に帰り着いても、震えは止まらず、怯えてオロオロしていた仔犬・・・・。


「目(eye)」と「愛」と私が、学んでいた藍染を全て合わせて「藍」と名づけました。
抱っこすらさせて呉れない藍でしたが、上手に受け入れて呉れたのは、ゆずでした。


楽しく、遊んでくれたのはゆずです。
人間には甘えなくとも、ゆずには、べったりと甘え、噛んだり飛乗ったり等、幾多の悪戯にも
ゆずは、ひたすら耐えて、藍を我慢して、受け止めて呉れました。


獣医さんに歯を調べて頂いて(生後五ヶ月頃)、仮の「誕生日」を作りました(3月5日)。
眼球の無い目は、閉じて頂きました


大変な藍でしたが、ゆずのお陰で、少しずつ我が家にも慣れ(未だに「抱っこ」は唸ります)、
漸く、部屋中を、走り回る元気な藍が誕生!!


訓練を受けさせ、順調に訓練課程を終え、次に考えたのが、アジリティです。
少しでも人間不信を解消させたいと願ったのです。
人と一緒に楽しめる事が出来るといいなぁと・・・・・。



オドオドする藍は、ハードル1本から、三木市の六甲訓練所に通い、
長い期間、掛かりましたが、ユズパパと何とかアジが出来ました。
ゆずは、応援チアガールとして、何時も付き添いでした。
(不安になって、ゆずの所へ逃げて行った時もあります)
ゆっくりアジですが、沢山のリボンも頂戴しました。特別犬だったから、でしょう(別枠です)。



そんな有る日、競技会へ、応援チアガールとして一緒に行動していたゆずの、歩き方がおかしくなりました。
後ろ足を引き摺って、上手に歩けません。


奈良の獣医さんに診て頂きに行くと、その日、即「手術」と言われて、動転しましたが、全て先生ににお任せ。後ろ足の「骨頭切除」を、して頂きました。


何度も温水治療を受けたり、

夏の暑い時期に、六甲訓練所で「プール」でのリハビリのお陰で、何とか、普通に歩けるように快復。
しかし、その手術の後、顎の筋肉が動かなくなる病になり、薬での治療。
完治しましたが、額の辺りは陥没してます。



そうこうする内に、藍が、「膝蓋骨(内方)脱臼」で、両足の手術を(2年間の間に片足ずつ)しました。
膝の具合の悪い子に、アジをさせるのは、やはり残酷です。


ユズパパは、アジを断念する事も考えました。しかしユズパパからアジを取り上げてしまうと、「ボケ」が心配です(笑)。




ある日、アジ仲間から「トイプー出産」の話を聞き、飛びついたのは婆さんです。


花梨は藍と違って、純真無垢な仔犬でした。そして、藍以上に、にハイパーな花梨!!
ゆずは、藍同様、背中に乗られても、尻尾を噛まれても、辛抱強く、お相手をして呉れました。



ゆずが、病院で手当を受けて居る間、心配でご飯も食べられない藍ですが、老犬で、耳の聞こえにくくなったゆずに、「ご飯ですよ」。「パパ&ママ、帰って来たよ」と、知らせるのは、藍の役目です。我が家の「司令塔」のつもりでしょう。


藍や花梨の、お母さんとまでは行かないでしょうが、不安を取り除き、静かに見守って呉れたゆずに感謝しています。

足腰の弱ったゆずですが、思い切って、多頭飼いが出来たのも、ずべて、ゆずのお陰です。
まだまだ、花梨はアジ落第生ですが、楽しく(ユズパパ流に)、頑張れるのも、ゆずのお陰でしょう。
15歳になって、ますます、老いは目だって来ていますが、藍に助けられたり、花梨に元気を貰ったりと、明るい毎日を過ごしています。

しかし、獣医さんから出ている、お薬を毎日飲んでいるのは、藍(僧帽弁閉鎖不全症)・花梨(癲癇)で、ゆずは、全く薬を飲んでいません。何時までも元気で居て欲しいです。